中小企業社長の財産を守るために知っておきたいこと【2025年版】

会社がうまくいかなくなったとき、自分や家族の生活まで危うくなる——。
そんな不安を抱える中小企業の社長さんは少なくありません。会社の借金に個人で保証人になったり、自宅などを担保に提供しているケースもあります。

でも実は、そうしたリスクを減らす方法や、制度を活用して個人の財産を守る工夫がたくさんあります。
この記事では、2025年現在の最新情報をもとに、会社に万が一のことがあっても社長自身と家族の暮らしを守るための「守りの仕組み」をやさしく解説します。


目次

✅ 保証人にならずにお金を借りるには?

昔は、会社が銀行からお金を借りるときには、社長が個人で保証人になるのが当たり前でした。
でも、今は違います。

▶ 経営力評価制度を使えば保証が不要に!

「経営力評価制度」という仕組みを使うと、一定の条件を満たせば社長が保証人にならずに会社名義で借入することができます。

この制度を使うには:

  • 専門家による経営診断を受ける

  • 経営改善の計画をつくって提出する

  • 銀行などと定期的に連絡を取り合い、経営を“見える化”する

これにより、銀行は「この会社はしっかりしている」と判断し、保証人なしでお金を貸してくれる可能性が出てきます。


✅ 保険を使って会社から個人にお金をうつす方法

「法人保険」とは、会社が契約者となって加入する保険のことです。うまく活用すれば、将来的に社長個人にお金を移す手段として役立ちます。

▶ 保険で退職金や相続対策もできる

具体的には:

  • 会社が毎月保険料を払う

  • 10年後などに社長がその保険を引き継ぐ(名義変更)

  • 評価額が低くなるため、税金も抑えられる

  • 将来的には退職金代わりにしたり、相続対策に使える

このように、会社にあるお金を、法律にのっとって社長や家族に移すことが可能です。


✅ 給料以外に「非課税」でお金をもらう方法

社長の収入は役員報酬だけではありません。ちょっとした工夫で、税金がかからずにお金を受け取る方法もあります。

▶ 出張日当(非課税)を活用しよう

  • 出張1回で最大1万円まで非課税でもらえる

  • 年50回の出張で50万円が非課税収入になる

これは「旅費規程」を社内に作っておくことで、正しく処理できます。

▶ 家族向けの福利厚生も経費にできる

  • 社員旅行に家族を連れて行っても、一定の条件を満たせば経費として認められる

  • 健康診断や予防接種を家族分も会社の費用でOK

  • 出産祝いやお見舞金なども、社内規定を整えれば経費で処理可能

こうした方法を使えば、給料を増やさなくても「手取り感」を高められます。


✅ 万が一会社が倒産しても、資産を守る方法

会社がなくなっても、社長個人の財産まで失わないようにするには、事前の準備が大切です。ここでは3つの方法をご紹介します。

▶ 方法1:持ち株会社を作る

「持ち株会社(ホールディングス)」を作っておき、本業の会社の株や不動産などの資産を別会社で持つ方法です。

  • 経営リスクのある会社とは資産を分離できる

  • 倒産しても、資産を持っている会社には影響がない

  • 事業承継にも便利(次の世代への引き継ぎがスムーズ)

▶ 方法2:家族信託を使う

家族信託は、社長の万が一(死亡・認知症など)に備えて、財産の管理や使い方をあらかじめ家族に任せておける仕組みです。

  • 銀行口座や不動産などを止めずに使える

  • 遺言より柔軟に資産を守れる

中小企業でも活用例が増えてきており、専門家に相談しながら進めると安心です。

▶ 方法3:海外資産でリスクを分散する

日本だけでなく、海外にも資産を持つことでリスクを減らす方法もあります。

  • 為替リスク(円安など)から資産を守れる

  • 海外保険や不動産を活用すれば、税制上のメリットも

ただし、この方法はしっかり法律に沿って進めないと危険なので、必ず専門家と一緒に検討しましょう。


✅ まとめ:社長こそ「守りの仕組み」を知るべき!

会社の経営だけでなく、自分と家族の将来も守ることが社長の大事な仕事です。

今回ご紹介した方法は:

  • 保証人にならずに借りる制度

  • 法人保険を活用した資産の移し替え

  • 非課税で手取りを増やす工夫

  • 会社がなくなっても大丈夫な資産の守り方

どれも「知っていれば得をする」方法です。今のうちから準備しておけば、将来あわてることもありません。

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この記事を書いた人

10年以上にわたって1社だけでなく数社で中小企業の社長の右腕として、経営戦略立案、銀行との折衝や資金繰り管理、中小企業でありがちな総務、経理、人事、労務、法務などもすべて実務も実行しながら、いくつもの新規事業の立ち上げも実行しているオールラウンダーな現役の中小企業役員です。

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